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ジャニーズ銀座E公演-Snow Man

だいぶ時間が経ってしまったけど、クリエの覚書き。2015年5月の終わりの5日間、ジャニーズ銀座E公演が3日間、そのまま続けてA.B.C-Zコンサートが2日間。結果的に5日になった。その5日間のはなし。

 

クリエ初日、TLに流れるセットリストを見た時は正直ちょっと拍子抜けだった。理由は単純、過去にやったことのある曲が多いからだ。逆にそれは予想外だった。
佐久間くんがTVfanのインタビューで

「今までは、それぞれの得意なものを見せてきたけど今年はあえて違うことをやる、みたいな。まだ見せてない武器で、メンバーの新しい面とか"この子これだけじゃないんだ"っていうところを見せたい」

と発言していた。Dance SQUAREでは、

宮舘「ちょっと攻めた感じになりそう、ってところまではきた。ある意味、Snow Manの武器を捨てた感じの公演になるんじゃないかな」渡辺「コンセプトは、『一周まわって初心に帰る』」

と言っている。なので、もっと分かりやすくセットリストから既出の曲を外して新しい曲を加えるのだと思っていた。でもそうじゃなかった。
「あえて違うことをやる」この言葉の意味を考える。重なる曲が多い中で今年の違いってなんだろう?勿論この記事のインタビュー時点から変更があり当初の発言の意図は公演から消えている可能性もあるが、そうでなかった場合に彼らの目指すアイドルってなんだろう。

今年のセトリを過去のものと比べてみる。

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水色が2013年既出、ピンクが2014年既出、紫が2015年新加入。あれ、こうしてみるとそんなにセトリがかぶってるってほどでもない。むしろ2013→2014のほうがよっぽど曲が被っている。

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ここでちょっと参照したいのが、備考に書いた他のコンサートや舞台での露出だ。「過去バックについたことがある」までを含めるともっと多くなりそうだがそこはあまりカウントしないとして、近年バックについたもしくはパフォーマンスした曲というだけでも結構ある。これはむしろ意図的にセトリに入れられていると言ってもいいのでは?少なくとも2年前と同じ曲をソロにセレクトした渡辺くんの意図はなんだろう?
シェケの曲前、深澤くんが前振りとして「この曲は私立バカレア高校の劇場版の主題歌で、これをきっかけにテレビや雑誌に出させてもらう機会が増えて…」という話をした。そのあたりから「ファンが増えてきた」という体感が彼らの中にもあるのかもしれない。つまり”新しいファン”というのは去年公演に入れず当日券列の人数がダントツだったこともあって、過去のクリエ公演を見ていなかったりする。過去に披露した曲を見たことない人にも見てもらう、という方向は売れて人が増えてきた頃の嵐のコンサートがそんな感じだったことと、ちょうど彼らが嵐のツアーバックについていたのがそのくらいの時期だったということを思い出させた。

初日のMCで「メンバー間の呼び名を統一しよう」というトピックが上がっていたこともふまえて、もしかして今回彼らの目指しているところは増えてきたファンを一枚岩にすること、なんだろうか?

改めてセットリストを見てみる。黄色く塗ったのは、コンサートならではのいわゆる「盛り上げ曲」だ。

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 「楽しかった」それがたぶん、今年一番大きかった声。それはたぶん、Snow Manがいちばん作りたかったものじゃないかと思う。舞台班と呼ばれ、コンサートで黄色い声を出すのに慣れてないからねなんて話をしていたのがクリエ単独公演初年度。今年は組み込まれたC&R、手振りの曲、なにより声出して!一緒に盛り上がって!って随所で煽っていた。「魅せる」ためのショーステージ・得意なダンス、メッセージ性を込めた歌詞、そこに重点を置いて考えると「新しい曲」としてインパクトがあるのは☆印あたりだろう。印象としては曲数が少なくなる。今年は自分達が得意とするショーの代わりにとにかく一体感とコンサートならではの盛り上がりに終始した。もしかしたらそれが『一周まわって初心に帰る』ってことだったんじゃないだろうか。

各メンバーのソロも今年はちょっと毛色が違う。明文化されているわけではないが、今回の佐久間くんのソロは「Summer上々!!!」のはずだ。少なくともそういう認識でレポが流れている。でも公演を見た感じだと、ともすれば「Heartful voice」のほうがよっぽどソロ曲だった。センターに立った佐久間くんがくるくるとピルエットを廻って、バレエのように踊り続ける。ここではフォーメーションや立ち位置変更はなく、他のメンバーは周りを囲んで歌うことに徹している。そう、これが「ソロコーナー」ではなくメインのうちの一曲に数えられているのだ。佐久間くんの最大の武器ともいえる美しいダンスは、グループの共有財産という扱いがなされている。代わりに個人に割り当てられたソロコーナーは盛り上げ曲として提供された。小指と薬指を立てる「さくピース」でC&R。阿部くんも同じく、メンバー全員で小道具を使ってのお遊びパートとして「Weeeek」を選んでいる。ここまでくるともう殆どソロでもなんでもない。深澤くんは去年まで別箇に設立していたコンビ曲をソロコーナーの中に取り込んだ。照くんのソロは「Party don’t stop」からのボイスパーカッション、そこからRapアレンジに仕上げられた「No more wait!」までがひとつづきのセクションだった。

誰かひとりの特技は、皆んなの力になる。誰かの武器は、メンバー全員にとっての武器になるのだ。

シアタークリエの幕が上がる前、映し出されたシルエットだけで誰が誰だか分かって泣きそうだった。腕を上げてもひらひらと垂れ下がる裾に感動して、それぞれちょっとずつ丈の長さとかデザインが違うことに感動して、緞帳が上がって目に飛び込んできた真っ赤な衣装がとびきり可愛くて、それは誰かのお下がりじゃなくまぎれもなく彼らのオリジナル衣装で、そこにはとんでもないドラマが詰まっていた。

今年も衣装担当は宮舘くんだったとダンスクの対談で触れられている。このOPの衣装もそのうちのひとつだろう。お揃いの赤いナポレオンジャケットは過去にタッキーのソロコンやキスマイコンでも着ていたもので、それに今回リメイクが加わった。チェック柄の布に豹柄の裏地で付け足した裾は燕尾だったり短かったり長かったり各々違っていて、そのメンバーに合わせて作られている。
衣装担当の依頼は宮舘くん個人に寄せられていたようだが、どうも29日昼のMCから察するに宮舘くんと佐久間くんふたりで担当したことになっており、さらにそれがきっかけなのか宮舘くんは佐久間くんを誘って歌舞伎期間中2人で食事に行ったそうだ。これが今年のクリエで発覚した一番の事件「だてさくの雪解け」であるwというか、わたしはそもそもふたりがそんなに殺伐してたなんて知らなかったし、佐久間くんが特定の誰かとそんなにギクシャクするというのがあんまり想像つかないのだけれど、とりあえず渡辺くんがひっくり返り、深澤くんが膝をついて叫ぶレベルで驚いてたみたいなのでオタクもメンバーもそんな認識だったんだと思う。
今年の衣装は宮舘くんの考えた案を佐久間くんが描き起こしてデザインを作ったらしい。絵が「上手いんだよ!」とのことだけれど、それを知ってて頼んだのかそれとも衣装案を出しているうちに分かったことだったのかまでは不明。
おそらくクリエ公演の構成や衣装に口を出されているグループはあると思う。それでも彼らは自分達で手がけることを許された。

 

わたしは去年、たぶんこれが最後のクリエ公演になるだろうと思っていて、次にコンサートをする時はきっとクリエより大きな会場だろうと信じていたので、こんなことを書いた。

結果的には今年もクリエ公演はあったわけで、会場も公演数も特別変わったことがあるわけじゃなくて、「Snow Man」は未だ彼ら6人の手の内にある。

 

誰かの武器は、メンバー全員にとっての武器になる。そのうちのもうひとつが渡辺くんのMCだ。もともと初年度のクリエでMCを回していたことを発端に、去年のキスマイコン大喜利コーナーでMC役を任命された。自分たちのファンだけを相手にするのではない数万人クラスを収容するドームツアーでの大役は、佐久間くんの推薦だった。Dance SQUAREvol.4、キスマイジャーニーにまつわる4人の対談の中で明かされている。

佐久間「俺、あのコーナーをプロデュースした宮田君に事前に相談されたんだ。こういう演出にしたいんだけど誰がいいと思う?って聞かれたから、「渡辺行けます、あいつめちゃくちゃツッコめます!」って。」

それはそのまま地上波ガムシャラ!出演やTVfanのインタビュー、滝沢歌舞伎の大喜利の司会にまでつながっていく。この大喜利の司会はなかなか大変だったらしく、MCがうまく回らなかったり纏まらなくてオチがつかなかったり苦労していて、裏ではひとりで泣いてたなんて滝沢さんから暴露されていた。このエピソードを聞いたとき、わたしは渡辺くんに責任を負わせる他のメンバーがわりと許せなくてwなんとかできないのか、誰か助け船を出せなかったのかって思っていたんだけれど。
えびコンではMCで渡辺くんがペットボトルの入ったかごを倒した時、メンバー全員が飛んできた。阿部くんはステージの端から、近くにいた佐久間くんはディフェンスするみたいに両手広げてガードして見ないで!って振りして、照くんは片づけたカゴがちゃんと仕舞われてるかカーテンの中までやたらチェックしたりして。そう、そういう事は条件反射で出来るんだ。言葉は回らなくても体は動く、ステージでは何が起きてもShow must go onだって体に染みついている。

ダンスクの滝沢歌舞伎「俺の見せどころ」でもこんな話をしている。

深澤「俺は、愛想曲で滝沢君の投げるステッキのキャッチ。本当はダテが取る演出で、だからみんな持ってるステッキをダテだけ持ってないんだけど…後ろにいる俺のほうに飛んで来ることが多いんだよね。でもどこに来ても、Snow Manのアイコンタクトで誰かが取って、しれっと進める自信がある!」

これは次第に滝沢さんも今日は誰に投げる、とか日替わりに変えていった部分もありそうだったけど、実際にステッキが床を転がった公演を目にしたので深澤くんの言っていることは本当だった。しれっと拾って、渡して、進めていった。経験して身についていることは出来る。それ以外のことは、まだまだこれから。

深澤「『Snow Manとは何なのだ』。うちらって、ダンスとアクロバットができて多少喋れる、っていうイメージだと思うけど、じつは歌も歌えて、なおかつみんなのことをちゃんと考えてるよ、っていうことが伝わる公演にしたい。」

 わたし個人としては、会場が劇場なのだから極端なことを言えば短くてもストレートプレイを詰め込む方法もあっていいんじゃないかと思っていたけど*1、あくまで「コンサート」に拘った結果だったように思う。コンサートに不慣れなのは彼らだって同じなのだ。出来ないなら、徹底的にやるしかない。わたしたちも一緒に。

「みんなのことをちゃんと考えてるよ」

クリエは入れる人が限られすぎるから、レポだけを見る他担や入らない人のことを考えるとセットリストに同じ曲を入れるのはあんまり賢いやり方じゃなかったと思う。うまく言葉にしたり、意図的に物語を作るのは苦手。でも身体は動くし、ショーは作れる。魅せ方も踊り方ひとつとっても百聞は一見にしかず、それがSnow Manの正体だ。いままで培ってきたもの、身につけてきたもの、答えは全部、ステージの上にある。

\俺たちと皆んなでー、Snow Man!/
最後の挨拶はやっぱり、A.B.C-Z方式。コンサートはステージの上だけじゃないのだ。客席も一緒に作るもの。だから、おれたちとみんなで。

それは少し内側に向きすぎている、ようにも思われる。これがもし国際フォーラムのファーストコンサートだったなら、今までの集大成でも、同じ曲をやっても、皆で一斉に体感できる「思い出」を作るには十分な内容だった。でもそうじゃない。一歩間違えれば怪我をしそうだった引っ掛け前宙、アクロバットをするにも狭すぎるステージ、上段ステージと階段上とどうにかして作り上げた動線…仮面のイントロの立ち位置は本来ならアリーナの花道にそれぞれピンスポを浴びて現れるべき演出のはずだ。どうすれば、どうすれば。
そこに舞い込んできた「A.B.C-ZのコンサートにSnow Manも出ます!」
あの狭い空間に集められた怨念が、1万人規模収容の代々木第一体育館ですこしでも霧散したならいい。思い描いた花道でそれぞれピンスポットを浴びて踊る姿は、五関さんのソロの曲前の演出そのものだった。一曲目、Vanillaのイントロがかかった瞬間に「ふっかーーー!!!!!!」って思わずにはいられなかったwセトリのド頭にリアデラを持ってきたアイデアは、なるほど河合くんのセットリストの組み方に準じたものだったのだ。流石にクリエと一緒にえびコンのリハを並行してやっていただろうから、偶然にしては出来過ぎている。
Snow Manはメインステージで長めの尺で一曲、バックではなくパフォーマンスするチャンスが貰えて、そこではアリーナサイズの会場の大きなステージでのびのびアクロバットが出来て、歌割りに合わせてスクリーンに個人で抜いて貰って、そこで大きな歓声が起きた。「No Control」も過去に何度も披露したことのある曲ではあるけれど、渡辺くんがソロパートを歌いあげて、スクリーンの画面を見ながら黄色い悲鳴が上がって、それが本当に嬉しくてしかたなかった。いつかこの会場も、この客席の景色も自分たちで手に入れよう。

 

5月の終わりの5日間、ジャニーズ銀座E公演が3日間、そのまま続けてA.B.C-Zコンサートが2日間。あの暗い地下の劇場は近くて狭くてとても幸せだったけれど、むせ返るような熱気の代々木体育館のほうがもっと幸せだった。えびコンがあって良かった。自分の中では、ここまででひと続き。つづきはまた、これから。俺たちとみんなで!

*1:おそらくそれに近いことをしたのがストンプで無声劇を取り入れたI公演かもしれない?