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健人くんと遊戯王と懺悔のはなし

セクシーハッピーバースデー!中島健人くんお誕生日おめでとう!

ケンティの誕生日が祝日じゃないなんておかしい!という理由で今日は有給休暇を取りました。あとでハルチカ見に行きます。

わたしが中島担だったのは2011年~2013年頃で、降りてからはあんまり健人くんのことを書いたりしなくなってたんですけど、去年ちょっとした事件があったのでその話をします。それは春に行われた「Welcome to Sexy Zone Tour」のMCでのことでした。

「劇場版遊戯王を観に行ってください」

まさかの自分の出てない映画の宣伝をされる。「遊戯王」の主演声優は事務所の先輩である風間俊介さんで、連載開始から20周年を迎える遊戯王は新作映画が公開されていました。そしてかねてより遊戯王ファンを公言していた健人くんはなんとジャンプ誌上で風間さんと対談に漕ぎ着けていました。職権乱用すぎるだろ。しかもわざわざ黒のタートルネック着てた。うわっ完全に社長意識してる…!
わたしも遊戯王は放映当時なんとなく見ていた覚えがあるので、懐かしいなーと思って映画を見に行くことにしました。風ポンも好きだし。それが運の尽きだった。
この映画めちゃくちゃ面白かったんですよ!!!!!!!!!!
原作をあまり知らなくてもその勢いで十分楽しめるエンターテイメントになっていました。といっても原作本編の内容がうろ覚え、というかたぶん追憶編になってから最後まで読んでなかったような気さえするのでとりあえずエジプトの話あたりを見てもう一度見に行って、そしたらより細部の面白さがわかって、原作を全巻読んで改めて見に行って、応援上映があって、4DX上映があって、社長の生誕祭があって、とかやってたら同じ映画を映画館で見た回数が人生最多になってしまいました。人生で一番多く見た映画、劇場版遊戯王

健人くんは常々遊戯王のキャラクターでは海馬瀬人のファンだと主張していて、OCGでも社長のエースカードである青眼の白龍をコレクションしているというのはもはやオタクの間では有名な話です。そして好きゆえに意識して真似してる部分もあるんでしょうが、劇場版を一緒に見た聡ちゃんが社長とケンティを「ちょっと似てる」と言ったのはたしかにあながち外れてないなあと思います。

 

ここからちょっと自分のファン歴を振り返った話になりますが、わたしは元々B.I.Shadowのファンでした。といってもそれほど歴が長いわけでもなく4人編成になってからの新規だったので余計に4人の括りがすごく好きでした。なのでSexy Zoneの結成会見を見てけっこう絶望し、その後は健人くんの個人担でした。正直当時は、入所からあまり間もない、よく知らない子供を3人も面倒みなきゃならないなんて…と思っていました。それでも懸命に5人でコンサートを作り、5人で頑張る姿を見て、Sexy Zoneのことを応援していこうと思いはじめ、そして思った矢先に、謎の三人編成とJr.との混合売りが始まりました。
もう時効かなと思うので書きますが、3人編成自体がというよりどんなに健人くんが頑張っていても3人だからと活動内容をこき下ろすオタクの風潮に嫌気がさして、そしてなにより運営の決めたことだからそれに従うのが正しいと主張し、B.I.のことを否定していたはずのセクゾン担がこぞって運営の批判を始めたことにうんざりしました。じゃあわたしがB.I.Shadowを諦めたのはなんだったんだよ!事務所の決めたことを肯定しなきゃならなかったんじゃないのかよ!
でも明らかに事務所の手が入ったコンサートはつまらなかったし、聡マリちゃんみたいな大事な逸材をないがしろにするのはセンスがなさすぎると思ったし、埼玉スーパーアリーナの公演がつらくて途中で泣いたまま席から立ち上がれなくなってしまったのを機に、本当にセクゾンから降りてしまいました。
その後も中島健人くんは快進撃を続け、バラエティではその強烈なレトリックで爪痕を残しまくり、ドラマ主演もつとめ、映画もヒットし、ラブホリケンティは確固たるキャラクターと地位を手に入れ、数多のジャニオタや事務所の先輩方から一目置かれ、「特に好きってわけじゃないけど、アイツはすげえ」といわしめるまでになりました(※褒めてる)。

わたしは健人くんの個人担だったので、ただひたすら健人くんの才能を信じていました。それは今でも間違ってないと思うし彼は唯一無二の才能だと思いますが、わたしはそれ以上にSexy Zoneの作ったコンサートが好きだったんです。一昨年初めて健人くんのソロコンサートを見たとき、5人でも3人でも「Sexy Zone」名義の楽曲を自分の中の一部としてSexy Zoneのメドレーを歌う中島健人を見たとき、健人くんにとってのセクゾンがどういう位置にあるのかもわかった気がしたし、それを受け入れようと思いました。まだ5人編成に戻る前のことです。そしてなにより、勝利くんの客観的な視点とその言語能力や舞台を愛する気持ち、めちゃくちゃ好みの源泉だった風磨くんのコンサート編成のセンス、聡ちゃんのダンスや選曲振付に対する嗅覚と身体能力、マリちゃんの恵まれた環境と生まれ持った素質に基づいた華と嗜好と異文化、それらなしにわたしの好きな「Sexy Zoneのコンサート」は成立しないんだなということが嫌というほどわかりました。久しぶりのウェルセクツアー、本当にすごく楽しかったんです。バックにSixTONESをつけられた時点で一瞬行くのを止めようかと思ったけど、行って良かった。北斗くんしぬほどかっこよかった、健人くんと北斗くんの目も合わないようなビジネス絡みも見られてよかった、幸せ!!!(B.I.担の自分が全然成仏してなくてわらう…)。


社長の話に戻ります。
海馬くんのキャラクターを簡単に説明すると、8歳の時に母親が、10歳の時に父親が亡くなって、弟と2人で児童施設に入り、海馬コーポレーション(通称KC)の社長に養子として引き取られたもののそこで虐待され、そこからKCの会社を自力で乗っ取って義父を自殺に追いやり、16歳の高校生にしてKCの社長を務めているという設定です。もともとKCは軍事産業の会社だったのにゲーム好きだった海馬くんはアミューズメント事業に転向し、世界中の恵まれない子供たちのために海馬ランドという遊園地を作るのが夢で、莫大な資産を使ってあらゆる事業を行っています。どんな逆境でも自力で這い上がるし、自社でなんでも作るし、実現します。劇場版では軌道エレベーターを建設してました。…?KCってどういう企業なの…?
それから、アニメ版のほうが顕著なんですが、海馬くんは5歳下の弟・モクバをとても大事にしており、小学生ながら優秀な弟にKCの副社長を任せています。子供なのでよく悪いやつに人質に取られたりもします。普段は人を人と思っていない傍若無人な海馬くんですが、こと弟のことになると弱く海馬くんにとってはアキレスの踵でもあります。

そしてここからは私のかなり個人的な解釈なんですけど、このモクバちゃんの立ち位置が今回の劇場版ではすこし変わってるんです。劇中は原作から1年後の設定で、モクバちゃんもすこし成長した顔をしています。
海馬くんは自分の目的のために全社を巻き込み、町中を巻き込み、あらゆる手を使って願望を叶えようとするんですが、最後の最後「モクバ、後は頼んだぞ」とおそらく会社のことを弟に頼み全権を託します。この時のモクバちゃんは、海馬くんが自分で自分のことをするためにとても頼りになる存在になっています。もう面倒を見てもらう立場ではなく、海馬くんを助けるために必要な相棒になっているんです。わたしはこのたった一言の台詞がとても好きです。託された方のモクバちゃんは兄のことをとても心配してけっこう悲壮な感じで、もう兄サマが戻ってこないんじゃないかとだいぶ不穏なシーンなんですが笑、一応あの結末はハッピーエンドだと思っています。高橋先生のインスタで描かれた未来のイラストを見てかなり希望が持てました。あれ、更新されたの見た時は泣いたよね…有楽町の街中で…。

と、いう海馬兄弟をわたしはすこしだけ健人くんに重ねて見られるなあと思っています。Sexy Zone結成当時、頼りない子供としか思えなかったメンバーも今ではすっかり頼りになる存在になりました。健人くんの並外れた個性を受け止めるにはこのメンバーでなくてはならなかった、このメンバーでよかったと心底思える珠玉のラインナップです。なんでも自力で道を切り開いていける健人くんだけど、健人くんが羽ばたくためにはSexy Zoneが必要で、メンバーがそういう存在に成長していっていることがとても嬉しいです。

23歳の健人くんと、そしてSexy Zoneの未来が輝かしいものでありますように。
わたしにとってケンティはいつまでも最高のアイドルです!

黒子のバスケキャラクターソングカップ2017

毎年とても楽しみにしている「ジャニーズ楽曲大賞」を主催されている方が、なんと黒バスのキャラソンで楽曲大賞を企画してくださったので、参加してみました!

 

 【「黒子のバスケ」キャラクターソングカップ2017】

http://krbs.j-m-a.info/

 

ジャニーズ楽曲大賞は非公式ながら参加者は2万人超の大規模な企画で、投票結果の詳しい傾向分析や熱の籠ったコメント一覧などいつも楽しませていただいています。CDセールスや世間一般の人気とはまた違った結果が出たりしてなかなか興味深いです。黒バスでも盛り上がれたらきっと楽しい!なにを隠そうわたしは去年の10月に黒バスを全巻一気読みしてどハマリしたばかりで、今ものすごく熱狂的に黒バスを楽しんでいるところなのです。毎日赤司くんのことばっかり140字詰でこんこんと書き綴っては、わたしも京都で献血して自担に血を捧げたい*1…みたいなテンションで生きてるんですけど、まさかの楽曲大賞の方が黒バスクラスタでこんな企画が催されるなんて!これはジャニオタとして乗らないわけにはいかない!!というわけで投票してきました。

 

▼投票内容

http://krbs.j-m-a.info/vote/link/25758b2e3bb626da

いつもの楽曲大賞と違って1曲1pt制ではありますが、私の中ではいちおう順位付けて投票しました。黒字は投票内容、グレーの部分は補足です。

 

1)「Ray of Shine」黒子テツヤ(小野賢章)・青峰大輝(諏訪部順一)

淡く柔らかい曲調はいかにふたりにとって「あの頃」が優しい記憶だったのかを表しているように感じます。その反面、なぜこんなに心地よいリズムを生み出しているかといえば韻を踏んでいるからで、なんで韻を踏んでいるかというとはすべてが過去形だからなんですね…。過去だからこそこのやわらかな空気が成立していると思うととてもせつない。それでもテツくんと青峰くんにとっての原点は同じだし、「確かに受け取っていたキズナ」がそこに在ったということを噛みしめて泣けます。
ふたりは擦れ違ってもまた同じ場所に戻ってくるんです。ちゃんと拳を合わせて、そこからまたリスタートできる、その物語の展開を知ってるからやっぱり余計にこみ上げるものがあります。


2)「ANSWER feat. 黒子テツヤ赤司征十郎(神谷浩史)

黒子くんと赤司くんの関係性の描き方あまりにも絶妙。ふたりは同じ出来事に対して逆方向にひずんでしまったゆえにお互いの主張もぶつかりあうことになってしまった裏表の存在だと思うんですが、 「今こそぶつけよう」とか「必ず突きつけよう 揺るがない自分の 答えだと」が2人の混声になる構成は本当に素晴らしいです。歌声があまり溶け合わないのもたまりません。
赤司くんのもう一人の人格は黒子くんにとって敵視するキセキの概念の擬人化のようなもので、あくまで自分の主張を貫くためにそれを躊躇なく殺してしまうので、黒子くんは赤司くん本人とはあまり向き合ってないなというのが私の中の黒赤観なんですけど、それをまさに言い当てられている感じ。完全に正面から殺し合いで相殺。赤司くん自身のキャラクターに関しては「RETURN」でかなり前向きな詞と曲調にしてもらっているので、それとは別にラスボスという位置づけの方向性としてはこのアプローチはしっくりきます。あとわたしは問答無用でピアノから始まるイントロが好きです。


3)「フューチャーライン」黒子テツヤ(小野賢章)

テツくんの芯の強さとまなざしが伝わってきます。耳馴染みの良いメロディがナチュラルな歌声と相性ぴったりで好きです。
キャラソンというもの自体をひさしぶりに聴いたときに、極端なデフォルメよりも流行のJ-POPみたいな雰囲気にわりと感動した覚えがあります。アッお洒落だ…!?ていう。曲調だけでなく賢章先生の声質がそうなのかもしれないんですけど、テツくんのそういう「目立たない」雰囲気にきちんと沿ってるんですね。なのでこれと「キミが光であるために」を聴いたあとだと、黄瀬のポップさの振れ幅にびっくりする笑。


4)「Breaking through!! feat.黒子テツヤ・青峰大輝」神大我(小野友樹)

火神くんが眩しくて死ぬほどかっこいい。ストリングスの重たさからは火神くんから託された信頼と火神くんに託す信頼はどちらも重厚で力強いんだ、というのが響いてくるようです。ここでは青峰くんは倒されるべき敵として立ちはだかっていますが、そういう「火神くん目線で見た青峰くん」のフィルターがよく表れてると思います。
あー火神くんかっこいい…かっこいい…しゅき…(顔覆い)

 

5)「Prime Position feat. 火神大我・氷室辰也」紫原敦(鈴村健一)

3人の掛け合いと温度差が面白くてすごく楽しいです。火神くんとむっくんが言い争ってても、氷室くんが朗らかに「ふたりとも本当スペシャル♪」って空気読まずに入ってくる(しかも歌めちゃくちゃ上手い)の、何回聴いても笑えます。最後の室ちんとアツシのやりとりも可愛い。

これすんごい好きです!過去に才能で思いっきり氷室くんのことを殴っておきながら無垢すぎて全然その自覚がないし結局のところ仲直りもたいして根本解決しないままなのに、未だに兄貴としてのタツヤに盲目的な弟タイガ残酷すぎるしそれ以上にちょうちょうかわいくないです???それを「美化しすぎじゃな~い?」ってものすごい温度差でぶっこむ現弟のアツシくんも最高。弟サンド最高。むっくんは無神経に見えて人をよく見てるというか核心をついてくる子なので、そういうのがよく出てる台詞だなと思います。わたしの中の室ちんはここまで根アカじゃないんですけど、これはこれでアリです。


【推しキャラアンケート】
青峰大輝

実際のところ推しは赤司くんなんですけど、単にこの選曲に関して赤司担の私はあまり関わっていないので、青峰担票ということにしました。青峰きゅんもかわいい。だってわたしの推しコンビ*2にデュエットがないんだもの…。

 

▼黒バスについて

せっかくなのでついでにちょっと黒バスのはなし。そもそも、すでに連載の終了している黒バスを読もうと思ったきっかけはこのまとめでした。

黒子のバスケを一気読みした人の話】
https://togetter.com/li/1028925
この方の感想と切り口がとても面白かったので興味を持ちました。もし同じように気になった方は是非手に取ってみて欲しいです。ちなみに今なら電子で読めます。

【ジャンプ+限定!映画公開記念!『黒子のバスケ』100話無料!】 

 

黒バスって読む前は脅迫事件があったことで有名な漫画っていう認識だったんですけど、漫画の内容を知ってから犯人の声明とか読むとなんともいえない気持ちになりますね…。同じ歳の作者と自分の境遇の違いに絶望したっていうような犯行動機だったかと思うんですが、黒バスって平たく言うと「凡人は天才に勝てない」っていうのを前提として突きつけて、突きつけられた凡人の主人公が天才たちに復讐していく話なんですよね。おう…。
で、個人的にはその「キセキの世代」と呼ばれる天才たちがバラバラの高校に進学するんだけど勿論そこでも天才だから浮いちゃってて、そこでそれぞれの課題に見合った相棒と出会うという設定がすごくよく出来てると思います。キセキの面々が過去にその才能で踏みにじった人とかも交じってるのに、周囲は誰も彼らを潰さない。勿論物語の都合上、悪役として主人公に殺されるために待ってるわけだけど、そこで展開されてる人間関係の構成がたまらないです。わたしはキセキの5人が好きなタイプの分かりやすい嗜好のオタクで笑、次点では桐皇の今吉さんと陽泉の福井くんが好きです。

 

楽曲大賞については、これがうたプリとかアイナナとか二次元アイドルものだったらもっと気軽に布教できたと思うんですが…。歌ってる映像だけでも「見て見てこの曲良いでしょ!衣装かっこいいでしょ!」ってジャニオタを誘いやすい。わたしも今あんスタやくざから「カツン担は紅月とUNDEADが好きだろホラ」って舞台映像見せて脅されて陛下と日々樹渉と蓮巳敬人のところだけストーリー読むように洗脳されてるところです…こわいよー…。でもキャラクターソングってとにかく物語ありきで、「曲だけ」の評価はしづらい。楽曲大賞の楽しさはジャニオタで経験してないとわかりづらいけど、キャラソンの楽しさは原作を読んでないとわからない、どっちも通ってないとなかなか布教しづらいかもしれません。ううう布教できるような黒バスジャンルの友達がいないのが歯がゆい。もちろん票は多いほど結果の解析が面白くなるので、すこしでも黒バスを齧ったことのある層に広まればと思っています。結果発表も楽しみに待ってます!

 

*1:赤司くんが京都府赤十字血液センターとのタイアップキャンペーンのキャンペーンアンバサダーに選ばれました。

*2:赤司くんと緑間くん

目指せ♪ドリームステージ(※ネタバレ感想)

関西ジャニーズJr.主演映画「目指せ♪ドリームステージ」の初日舞台挨拶つき上映を見てきた。
関ジュにはそれほど明るくないのだけれど、レギュラー番組のまいジャニを毎週見ているしジャニーズWESTのコンサートバックなどではおなじみの顔ぶれ。去年9月の日生公演「少年たち」では看守長に惚れて室くんのステージフォトを買ったりもしていた。とはいえ松竹座公演にはなかなか行けずにいたところ、今回は東京にも来てくれるということでお邪魔することができた。久しぶりの大西さんの現場♡りゅーちぇーくん大きくなったかな♡みたいな事務所担が軽率に舞台挨拶を見にいったら思いの外映画が良かったのでちょっとその話聞いてよ!そうなの良かったの!!ドリステはいいぞ!!

諸手を挙げて面白い映画だったかオタ以外にも薦められるかといわれると、正直ツッコミどころの多い脚本だし構成も前半が冗長で後半雑に感じるし、西畑くんの演技力とかキャストの説得力でどうにか成り立ってるような感じなのだが、とにかくそのキャストの底力みたいなものが溢れていた。
あと最後に一曲、松竹座のショーの映像がある。唐突に松竹座ライブビューイング。これだけでも一見の価値あり!

チラシの写真などからもっと西畑くん演じる風太が話の中心かと思いきや、他のメンバーそれぞれの物語をしっかり描いた群像劇だった。中でも、個人的には浜中文一くん演じる坂野次郎のキャラクターが良かった。文一くんめっっちゃ良かった!!!

次郎さんは元ホストで今はローカルアイドル小姓ズのリーダーである。登場シーンは二日酔いの寝起き、着崩れた浴衣姿。もう最高である。この時点でハート鷲掴み!次郎さん色っぽい!
次郎さんが何をきっかけに転職したのかは特に明かされていないが、小姓ズの定期ライブでとりあえずトークを仕切るのは次郎さんだ。この次郎さんのだらだら面白くない(という設定)トークの滑り具合、というかちゃんと滑ったというオチがつくような展開が絶妙なのだけど、これ、メンバーのアドリブなんだそうだ。面白くないトークを意図的にそれなりに作れるのは、いうなればデッサンをわざと再構成することのできるピカソ的な技術である。天才か。
また、この埒のあかないトークライブの次に始めるのが、台詞にとりあえずメロディをつけて歌う「とりあえずミュージカル」だが、これもメンバーのアドリブだそうだ。また絶妙によく出来ていて映画の見所のひとつになっている。役の彼らはやる気もなくこれまでつまらないトークしかやっていないためステージ経験や練習はしてないはずにも関わらず、歌い出すと急に見栄えがする。発声も立ち姿も笑いをとるネタもちゃんと出来ている。もちろんそれは役のキャラクターというよりキャストの関西Jr.メンバーの地力である。なので、妙な説得力が生まれる。急ごしらえのとりあえずミュージカルに人気が出る、というちょっと無理な脚本も成立させてしまうのだ。

 

以下、完全にストーリーネタバレの感想*1。一度しか鑑賞していないので台詞等はニュアンスで。

ものすごくざっくり言うと、地域活性化のために作られた地元のアイドルグループ「小姓ズ」に水上風太が加入し、いまいちやる気のなかったメンバーたちがステージに向き合うようになる…という青春アイドル映画だ。小姓ズのメンバーは5人、リーダーの次郎さん、風太の昔馴染みの翔吉(康二くん)、高校生の亮介(流星くん)、トビ職の和正(赤名くん)。5人にはそれぞれの事情があり、交錯しながら展開していく。

次郎さんのストーリーの肝は、元メンバーで今はミュージカルの舞台に立っている成瀬満(優馬くん)との関係である。
もともと小姓ズのメンバーだった成瀬は、ローカルアイドルを抜けてミュージカルの世界へ転向した。といって成瀬もミュージカルスターとして大活躍しているわけではなく、まだ脇役を貰えるようになった程度だ。次郎さんは小姓ズを見捨てた成瀬を憎んでおり、舞台出演を報告しにきた成瀬に「そんな端役でいちいち来んなや」などと自分のことは棚に上げて成瀬を小馬鹿にした発言をする。成瀬が出演した舞台のDVDを見ようともしない。成瀬は寡黙だが、いつまでもうだつの上がらない、やる気のない次郎に対して腹を立てているのか小姓ズを見下していて、風太に「いつまでもそんなとこおったらあかんで」といったようなことを言う。
しかし物語の後半、小姓ズでミュージカルをやることになり、このままじゃ駄目だと心を入れ替えた次郎は成瀬の出演した舞台の映像を再生し、じっと見つめる。真剣にミュージカルに向き合っている成瀬の姿が、次郎の目に映る。そして、次郎さんは自らの足で成瀬の稽古場へ赴き、小姓ズの復活ライブのチケットを渡す。お前のために特等席取っといたるから必ず観に来い、と。真剣に小姓ズに向き合うことにした次郎さんが、そのステージを見て欲しい相手は元メンバーの成瀬なのだ。
復活ライブ当日、ライブといっても小さな野外ステージだけれど、最前列には「成瀬のボケ専用特等席」と手書きで書かれた座布団が置かれてあり、客席に現れた成瀬くんはなんの躊躇もなくそこへ座る。そしてライブが始まり特訓の成果を披露する小姓ズのメンバーたち。次郎さんは踊りながら特等席に座る成瀬を見つけ、今まで見たことのないような表情で顔を綻ばせたのだった…!

ところで次郎さんの物語パートには成瀬以外にもうひとり大事なキーパーソンが登場する。次郎さんの熱烈なファン、アカリさんだ。アカリさんはバーのママをやっている派手目のお姉様で、次郎さんがホストをやっていた頃からおっかけている古参オタである。売れないローカルアイドルになってもライブに駆けつけ、手作り団扇を持ち、グッズを購入し、5周年記念などここぞという公演では気合の入った着物姿で参戦し、声援を送っている。客が殆んどいなくとも皆勤賞で定期ライブに参加し、内容がつまらなくともいつでも盛り上がり、公式サイトに前向きな書き込みをし、いっとき小姓ズに人気が出て次郎のブロマイドが売り切れて自分が買えなくなってしまったときも、最後の1枚を買った女の子に「あなた趣味がいいわねえ!」と次郎の良さを分かち合える人として賞賛の言葉を贈る。公演には毎回訪れるが出待ちやプライベートの部分で干渉しようとはせず、同担拒否でなく他にファンが増えることを喜ぶ。始めはライブの空気も読まずに騒ぐマナー違反の嫌な客かと思いきや、なかなかオタの鑑なのである。そんなアカリさんが個人的に報われることはない。次郎さんがアカリさんに特別なリアクションを取ることはほぼ皆無だ。けれども、とりあえずミュージカルが盛り上がった時には「次郎〜!って叫んでる人おったで♪」と声援は次郎さんの耳に届き、満更でもなさそうにしている描写がある。というかここまでしても次郎さんから認知されてないってひどくない?他メンバーは「アカリさんやろ」って覚えてくれてるのに!?w
後半では、5周年ライブが失敗に終わり小姓ズが解散に追い込まれた際、次郎さんはアカリさんが自分のお店の表に貼った小姓ズファンクラブ会員を募るポスターを剥がしているところを見てしまう。そしてすぐに小姓ズ再結成の署名を募るポスターに張り替えたアカリさんを見て、次郎さんは励まされるのである。ここでアカリさんと次郎さんに直接の会話ややりとりはない。再結成ライブでも、アカリさんが個人ファンサを貰えるようなシーンはない。それでも、次郎さんはアカリさんの地道なファン活動によってステージの上に帰ってきたのだ。オタにとって、これ以上のファンサがあるだろうか。直接届かないかもしれない、勝手にやっている応援活動により、自担がアイドルを辞めずにいてくれて、もう一度ステージに立ってくれる。知らないところでちゃんと自担の力になっている。Jr.担の端くれとして、このアカリさんと次郎さんの関係は胸に迫るものがあった。お手振りや指差しなんかより、ずっとずっと尊いファンサだ。そこに居てくれることがファンサ。それでいいのだ。そう、ライブ中に次郎さんの目線と微笑みという個人ファンサが貰えるのは成瀬だけ!!!

…というわけでもうそろそろなんとなく言いたいことは察して頂けるのではないかと思うので、もし少しでも興味を持った方は是非劇場に足を運んでみてください。ドリステはいいぞ!!

*1:過去に私立バカレア高校が映画化した際、Jr.を知らないから見ないだろうと思った友人にストーリーを全部喋ったら興味を持ってくれて映画館まで同行してくれたという経歴があるのであえて書きます。

ジャニオタが手下沼に嵌った話

一度はてなっぽいタイトルを使ってみたかったのでやってみた。

10月は現場予定があまりなかったこともあり、ジャニオタとして一息ついて…ついていたらうっかり手下沼にはまった。わたしはもともと特別ディズニーが好きだったわけでもなんでもなく、例にもれず流行に乗っかってみただけのニワカである。でも、そのぐらいのミーハーなオタクのアンテナに引っかかる程度には「ヴィランズの手下」はこの秋ちょっとしたブームになっていた。

わたしはジャニオタなので、基本的にツイッターのオタク用アカウントはジャニオタの人をフォローしており、TLは常にジャニーズの話題で回っている。その中で、事の発端はこれだった。

「辰巳くん副業疑惑」

ジャニーズJr.、ふぉ~ゆ~の辰巳雄大くんのことである。ジャニーズは副業禁止なのでこれが本当ならずいぶん由々しき事態であるが、もうすこし詳しく言うと「舞浜で副業疑惑」だった。実際の辰巳くんは9月は梅田芸術劇場、10月は博多座で「Endress SHOCK」という舞台に毎日出演しており、舞浜、つまりディズニーリゾートにいるわけなんかない。要するに、ディズニーのキャストさんが辰巳くんに似てる!っていう話だった。なんともジャニオタ的なとっかかり。辰巳くんとそのキャストさんの画像が並べられて流れてくるのを見ると、どうやら顔の造形のみならずファンサービスの過剰さやキャラクターが似ているらしい。なるほどたしかに言われてみれば?

というわけで、手下とはなんぞやというのをグーグル先生に聞いてみたらすぐに出てきた。東京ディズニーシーハロウィーン期間限定ショーのようだ。ちなみに辰巳くんに似ているのは不思議の国のアリスのジャックハート。ファンサービスに富んだ人気者である。

ure.pia.co.jp

そして気にして眺めるようになってみれば、ジャニオタにはDオタを兼任している人は多く、手下の画像や動画、さらにはファンアートや二次創作がけっこうRTされていた。そう、SNSツールの恐ろしいのは自分から探しに行かなくても話題や情報が流れてくるところだ。

最新ツールの利用

ジャニーズは動画や写真の権利についてとてもうるさい。うるさいというか、ドラマや雑誌、公式のメディアに対してさえ解放していないほどの時代錯誤みのある事務所である。なのであんまりネットを活用して広めるというマーケティングの発想があまりなかったのだが、他のジャンルはもっといろんな広がり方をしているようだ。
海外のライブは個人が撮影したり動画をアップしたりするのは当然っていう文化もあるみたいで、ヨーロッパの美術館が写真撮影自由だったことに驚いたのを思い出した。日本の美術館や博物館は原則撮影禁止だからだ。
場所やジャンルが違えばマナーもルールも違う。女子アイドルのコンサートはリアルタイムで公式が実況動画を配信していたり、ファンの人も実況をつぶやくし、宝塚の入り待ち出待ちはジェンヌさんの写真を撮って流していたりする。そういえば、特撮のショーも以前は撮影自由だった。戦隊の素顔の戦士ショーは、スカイシアターではボウケンジャー以前は三脚を構えてがっつり撮影しているオタクもけっこう見かけた。今はもう会場も屋内のGロッソに変更されたし、完全に撮影禁止になっている。
ジャニーズでは撮影禁止、公演中の携帯スマホの使用禁止は公式からの通達だが、それに加えて公演終了時間まで内容をネタバレしてはならないという暗黙の了解がある。

で、ディズニーのショーというのは今でも基本的に撮影OKで、それを編集して動画をYoutTubeに上げるとかいう文化がしっかり確立されている。もちろんこれはショーが屋外で行われているという性質もあるんだろう。パーク内で撮影したら意図せず写りこんでしまうことは多々ある。それをいちいち禁止するのは不可能である。
気になってちょっと検索したら販売DVDかな?って疑うようなカメラ割の映像がたくさんあった。すごい。たしかにショーやパレードを何時間も前から場所取りして待って、本格的な一眼レフとか機材で撮影してるオタがいるのは知られていることだが、それを今は個人が配信してネットで気軽に見られる時代なのだ。いまさら2009年のハロウィンパレードとか2010年のミステリアスマスカレードとかに感動する。いまさらこのことに新鮮に驚いているジャニオタの時代遅れ感もやばい。

というわけで、撮影した動画をネットにアップするという文化自体はそれほど目新しいものではないようだが、それがスマートホンの普及に伴って誰でも簡単にできるようになった。特別な機材や本格的なカメラもいらない、編集技術もなくて大丈夫、手元のiphoneとアプリさえあればいい。そこにSNSだ。撮った動画を個人や仲間内できゃっきゃしてるだけではなく、ひょっとタグをつけてツイッターに載せる、あとは検索で見つけた人がRTボタンを押すだけで瞬く間に拡散する。わたしのように家でツイッターのTLを見ているだけの人にも届く。本来なら時間とお金をかけて現地に行かなければ見ることのできないショーの内容を労力なしで見られるのだ。このマーケティング力は驚異的なものだった。元々興味を持っていた人が意図的に探すのではなく、興味のない人の目にも触れるようにTLに流れてくる。ツイッターの拡散力については、ジャンル限らず影響の大きいもので、オタク市場の拡大に一役買っていると思う。企業のCMよりも、知っている人のおすすめや感想のほうが気になるものだ。あと、わたしみたいなミーハーなオタクは「流行っている」ということがなにより興味をそそる。日本人気質まるだし。流行には乗っかりたい。

需要ど真ん中のシチュエーション

もちろん流行には流行るだけの理由がある。広がるためのツールも時代をよく反映していると思ったけれど、コンテンツの中身も今のオタク需要にうまくマッチしているものだった。
ヴィランズの手下」というのはディズニーアニメ作品に登場する通称ディズニー・ヴィランズのキャラクターたち(こちらは以前からパークのショーなどにもガワで出演している)がハロウィンの期間に人間たち(パークのゲスト)をヴィランズの仲間入りをするよう誘う「リクルーティング」をするために遣わした「リクルーター」という設定のキャラクターである。人間を勧誘する目的のため、着ぐるみではなく人間の姿をしている。つまり衣装とお化粧を施したキャストということだ。元のキャラクターと設定は二次元アニメ派生だが、実際に演じているのは三次元の人間といういわゆる「2.5次元」のキャラクターである。
これが今、人気を博しているのは周知の通り。今の2.5次元ブームの火付け役、ミュージカル・テニスの王子様通称テニミュ(初演は2003年)以降、さまざまなマンガやゲームが「舞台化」「ミュージカル化」され、今では「2.5次元舞台」はすっかり一大ジャンルとなっている。最近だと、弱虫ペダルとか刀剣乱舞とか、人気漫画や人気ゲームが舞台化されたりしていて観劇をしてきたっていうレポを見かけたりしていた。ジャニオタにはそういう2.5次元や若手俳優を掛け持ちで追いかけている人もけっこういる。同じカテゴリにしていいかは微妙だが、最近では歌舞伎が「スーパー歌舞伎IIワンピース」として漫画原作を扱ったり、宝塚が戦国BASARAるろうに剣心を題材にして上演をしていたりして、「実写化」を映像ではなく「舞台」で行われるという興業が以前よりも人気を博して、というか元からそのジャンルに詳しいファン以外にも知名度が広まってきたという印象だ。
2.5次元舞台は役者本人を三次元的に好きなファンとキャラクターを二次元的に好きなファンの両方が存在する。Dオタにはダンサーさんのファンがついているそうなので元からそのキャストのファンというタイプもいるだろうし、キャラクターを好きだという人もいるだろうし、両方混ざる人もいるんだろう。

 

需要を満たしているのは設定だけではない。手下のキャラクターが現れるセイリングブッフェでは、レストラン内でキャストと喋ったり写真を撮ったりできる。これは、完全に、“アイドル”だ。会いに行けるアイドルである。48グループの握手会つきCDが100万枚を超えて売れるこのご時世、アイドル戦国時代も多様化しているが、やっぱりキャストを間近で見られる、会いに行けるという市場は大人気だ。しかも、「舞台でキャラクターを演じている俳優さんのファンイベント」ではなく「キャラクターとグリーティングできる」のである。
キャラクターがライブに実在するという図式は、うたプリラブライブ!の声優がライブイベントを行うのもそれに近い。さいたまスーパーアリーナとか横浜アリーナの会場では全然チケットが取れず、ライビュをしてもなお激戦という人気の白熱具合を思えば、まさに流行の渦中にあるコンテンツだ。

 

ヴィランズの手下は、今はやりの「2.5次元舞台」と「会いに行けるアイドル」をドッキングしたコンテンツをSNSで客個人が映像をリアルタイム(数か月後のDVD発売ではなくその日とか数日以内)に配信して拡散するというまさに時代を反映しまくったイベントだった。なんかもう、時代を見た!と思った。しかもキャストは毎日全員が出演するわけではなく日替わりで誰がいるかわからないガチャ方式なのでリピーターも多く、ハロウィンの期間限定というのがなおのこと熱を煽り、イベント終了間際の10月終わりのセイリングブッフェ待ち時間は歴代記録に残るほどにまでなったそうだ。わたしがインした10月半ばは6時間待ちだったが、8時間待ったとか10時間待ち表示だったとかいう話を見かけた。
もちろん人気の理由はこうした仕掛けやツールだけではなくて、キャラクターの設定やキャストさんのアドリブが魅力的だったからだと思うし自分もそれにまんまとハマった口なのだけど、ちょうど時代に見合ったエンターテイメントがヒットしたというのは見事だった。客のマナーや人が集まりすぎて起きた問題を鑑みてもここまでの事態はパーク側も予想外だったのかもしれないが、これをどう受け取ってどう対処するかは来年のハロウィンに活かされるのであろう。
何をすれば人気が出るのか、人が集まる市場というのはどこで生まれるのか、2015年現在のエンターテイメントを見つめるには象徴的なブームだったと思う。

 

ジャニーズ銀座E公演-Snow Man

だいぶ時間が経ってしまったけど、クリエの覚書き。2015年5月の終わりの5日間、ジャニーズ銀座E公演が3日間、そのまま続けてA.B.C-Zコンサートが2日間。結果的に5日になった。その5日間のはなし。

 

クリエ初日、TLに流れるセットリストを見た時は正直ちょっと拍子抜けだった。理由は単純、過去にやったことのある曲が多いからだ。逆にそれは予想外だった。
佐久間くんがTVfanのインタビューで

「今までは、それぞれの得意なものを見せてきたけど今年はあえて違うことをやる、みたいな。まだ見せてない武器で、メンバーの新しい面とか"この子これだけじゃないんだ"っていうところを見せたい」

と発言していた。Dance SQUAREでは、

宮舘「ちょっと攻めた感じになりそう、ってところまではきた。ある意味、Snow Manの武器を捨てた感じの公演になるんじゃないかな」渡辺「コンセプトは、『一周まわって初心に帰る』」

と言っている。なので、もっと分かりやすくセットリストから既出の曲を外して新しい曲を加えるのだと思っていた。でもそうじゃなかった。
「あえて違うことをやる」この言葉の意味を考える。重なる曲が多い中で今年の違いってなんだろう?勿論この記事のインタビュー時点から変更があり当初の発言の意図は公演から消えている可能性もあるが、そうでなかった場合に彼らの目指すアイドルってなんだろう。

今年のセトリを過去のものと比べてみる。

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水色が2013年既出、ピンクが2014年既出、紫が2015年新加入。あれ、こうしてみるとそんなにセトリがかぶってるってほどでもない。むしろ2013→2014のほうがよっぽど曲が被っている。

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ここでちょっと参照したいのが、備考に書いた他のコンサートや舞台での露出だ。「過去バックについたことがある」までを含めるともっと多くなりそうだがそこはあまりカウントしないとして、近年バックについたもしくはパフォーマンスした曲というだけでも結構ある。これはむしろ意図的にセトリに入れられていると言ってもいいのでは?少なくとも2年前と同じ曲をソロにセレクトした渡辺くんの意図はなんだろう?
シェケの曲前、深澤くんが前振りとして「この曲は私立バカレア高校の劇場版の主題歌で、これをきっかけにテレビや雑誌に出させてもらう機会が増えて…」という話をした。そのあたりから「ファンが増えてきた」という体感が彼らの中にもあるのかもしれない。つまり”新しいファン”というのは去年公演に入れず当日券列の人数がダントツだったこともあって、過去のクリエ公演を見ていなかったりする。過去に披露した曲を見たことない人にも見てもらう、という方向は売れて人が増えてきた頃の嵐のコンサートがそんな感じだったことと、ちょうど彼らが嵐のツアーバックについていたのがそのくらいの時期だったということを思い出させた。

初日のMCで「メンバー間の呼び名を統一しよう」というトピックが上がっていたこともふまえて、もしかして今回彼らの目指しているところは増えてきたファンを一枚岩にすること、なんだろうか?

改めてセットリストを見てみる。黄色く塗ったのは、コンサートならではのいわゆる「盛り上げ曲」だ。

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 「楽しかった」それがたぶん、今年一番大きかった声。それはたぶん、Snow Manがいちばん作りたかったものじゃないかと思う。舞台班と呼ばれ、コンサートで黄色い声を出すのに慣れてないからねなんて話をしていたのがクリエ単独公演初年度。今年は組み込まれたC&R、手振りの曲、なにより声出して!一緒に盛り上がって!って随所で煽っていた。「魅せる」ためのショーステージ・得意なダンス、メッセージ性を込めた歌詞、そこに重点を置いて考えると「新しい曲」としてインパクトがあるのは☆印あたりだろう。印象としては曲数が少なくなる。今年は自分達が得意とするショーの代わりにとにかく一体感とコンサートならではの盛り上がりに終始した。もしかしたらそれが『一周まわって初心に帰る』ってことだったんじゃないだろうか。

各メンバーのソロも今年はちょっと毛色が違う。明文化されているわけではないが、今回の佐久間くんのソロは「Summer上々!!!」のはずだ。少なくともそういう認識でレポが流れている。でも公演を見た感じだと、ともすれば「Heartful voice」のほうがよっぽどソロ曲だった。センターに立った佐久間くんがくるくるとピルエットを廻って、バレエのように踊り続ける。ここではフォーメーションや立ち位置変更はなく、他のメンバーは周りを囲んで歌うことに徹している。そう、これが「ソロコーナー」ではなくメインのうちの一曲に数えられているのだ。佐久間くんの最大の武器ともいえる美しいダンスは、グループの共有財産という扱いがなされている。代わりに個人に割り当てられたソロコーナーは盛り上げ曲として提供された。小指と薬指を立てる「さくピース」でC&R。阿部くんも同じく、メンバー全員で小道具を使ってのお遊びパートとして「Weeeek」を選んでいる。ここまでくるともう殆どソロでもなんでもない。深澤くんは去年まで別箇に設立していたコンビ曲をソロコーナーの中に取り込んだ。照くんのソロは「Party don’t stop」からのボイスパーカッション、そこからRapアレンジに仕上げられた「No more wait!」までがひとつづきのセクションだった。

誰かひとりの特技は、皆んなの力になる。誰かの武器は、メンバー全員にとっての武器になるのだ。

シアタークリエの幕が上がる前、映し出されたシルエットだけで誰が誰だか分かって泣きそうだった。腕を上げてもひらひらと垂れ下がる裾に感動して、それぞれちょっとずつ丈の長さとかデザインが違うことに感動して、緞帳が上がって目に飛び込んできた真っ赤な衣装がとびきり可愛くて、それは誰かのお下がりじゃなくまぎれもなく彼らのオリジナル衣装で、そこにはとんでもないドラマが詰まっていた。

今年も衣装担当は宮舘くんだったとダンスクの対談で触れられている。このOPの衣装もそのうちのひとつだろう。お揃いの赤いナポレオンジャケットは過去にタッキーのソロコンやキスマイコンでも着ていたもので、それに今回リメイクが加わった。チェック柄の布に豹柄の裏地で付け足した裾は燕尾だったり短かったり長かったり各々違っていて、そのメンバーに合わせて作られている。
衣装担当の依頼は宮舘くん個人に寄せられていたようだが、どうも29日昼のMCから察するに宮舘くんと佐久間くんふたりで担当したことになっており、さらにそれがきっかけなのか宮舘くんは佐久間くんを誘って歌舞伎期間中2人で食事に行ったそうだ。これが今年のクリエで発覚した一番の事件「だてさくの雪解け」であるwというか、わたしはそもそもふたりがそんなに殺伐してたなんて知らなかったし、佐久間くんが特定の誰かとそんなにギクシャクするというのがあんまり想像つかないのだけれど、とりあえず渡辺くんがひっくり返り、深澤くんが膝をついて叫ぶレベルで驚いてたみたいなのでオタクもメンバーもそんな認識だったんだと思う。
今年の衣装は宮舘くんの考えた案を佐久間くんが描き起こしてデザインを作ったらしい。絵が「上手いんだよ!」とのことだけれど、それを知ってて頼んだのかそれとも衣装案を出しているうちに分かったことだったのかまでは不明。
おそらくクリエ公演の構成や衣装に口を出されているグループはあると思う。それでも彼らは自分達で手がけることを許された。

 

わたしは去年、たぶんこれが最後のクリエ公演になるだろうと思っていて、次にコンサートをする時はきっとクリエより大きな会場だろうと信じていたので、こんなことを書いた。

結果的には今年もクリエ公演はあったわけで、会場も公演数も特別変わったことがあるわけじゃなくて、「Snow Man」は未だ彼ら6人の手の内にある。

 

誰かの武器は、メンバー全員にとっての武器になる。そのうちのもうひとつが渡辺くんのMCだ。もともと初年度のクリエでMCを回していたことを発端に、去年のキスマイコン大喜利コーナーでMC役を任命された。自分たちのファンだけを相手にするのではない数万人クラスを収容するドームツアーでの大役は、佐久間くんの推薦だった。Dance SQUAREvol.4、キスマイジャーニーにまつわる4人の対談の中で明かされている。

佐久間「俺、あのコーナーをプロデュースした宮田君に事前に相談されたんだ。こういう演出にしたいんだけど誰がいいと思う?って聞かれたから、「渡辺行けます、あいつめちゃくちゃツッコめます!」って。」

それはそのまま地上波ガムシャラ!出演やTVfanのインタビュー、滝沢歌舞伎の大喜利の司会にまでつながっていく。この大喜利の司会はなかなか大変だったらしく、MCがうまく回らなかったり纏まらなくてオチがつかなかったり苦労していて、裏ではひとりで泣いてたなんて滝沢さんから暴露されていた。このエピソードを聞いたとき、わたしは渡辺くんに責任を負わせる他のメンバーがわりと許せなくてwなんとかできないのか、誰か助け船を出せなかったのかって思っていたんだけれど。
えびコンではMCで渡辺くんがペットボトルの入ったかごを倒した時、メンバー全員が飛んできた。阿部くんはステージの端から、近くにいた佐久間くんはディフェンスするみたいに両手広げてガードして見ないで!って振りして、照くんは片づけたカゴがちゃんと仕舞われてるかカーテンの中までやたらチェックしたりして。そう、そういう事は条件反射で出来るんだ。言葉は回らなくても体は動く、ステージでは何が起きてもShow must go onだって体に染みついている。

ダンスクの滝沢歌舞伎「俺の見せどころ」でもこんな話をしている。

深澤「俺は、愛想曲で滝沢君の投げるステッキのキャッチ。本当はダテが取る演出で、だからみんな持ってるステッキをダテだけ持ってないんだけど…後ろにいる俺のほうに飛んで来ることが多いんだよね。でもどこに来ても、Snow Manのアイコンタクトで誰かが取って、しれっと進める自信がある!」

これは次第に滝沢さんも今日は誰に投げる、とか日替わりに変えていった部分もありそうだったけど、実際にステッキが床を転がった公演を目にしたので深澤くんの言っていることは本当だった。しれっと拾って、渡して、進めていった。経験して身についていることは出来る。それ以外のことは、まだまだこれから。

深澤「『Snow Manとは何なのだ』。うちらって、ダンスとアクロバットができて多少喋れる、っていうイメージだと思うけど、じつは歌も歌えて、なおかつみんなのことをちゃんと考えてるよ、っていうことが伝わる公演にしたい。」

 わたし個人としては、会場が劇場なのだから極端なことを言えば短くてもストレートプレイを詰め込む方法もあっていいんじゃないかと思っていたけど*1、あくまで「コンサート」に拘った結果だったように思う。コンサートに不慣れなのは彼らだって同じなのだ。出来ないなら、徹底的にやるしかない。わたしたちも一緒に。

「みんなのことをちゃんと考えてるよ」

クリエは入れる人が限られすぎるから、レポだけを見る他担や入らない人のことを考えるとセットリストに同じ曲を入れるのはあんまり賢いやり方じゃなかったと思う。うまく言葉にしたり、意図的に物語を作るのは苦手。でも身体は動くし、ショーは作れる。魅せ方も踊り方ひとつとっても百聞は一見にしかず、それがSnow Manの正体だ。いままで培ってきたもの、身につけてきたもの、答えは全部、ステージの上にある。

\俺たちと皆んなでー、Snow Man!/
最後の挨拶はやっぱり、A.B.C-Z方式。コンサートはステージの上だけじゃないのだ。客席も一緒に作るもの。だから、おれたちとみんなで。

それは少し内側に向きすぎている、ようにも思われる。これがもし国際フォーラムのファーストコンサートだったなら、今までの集大成でも、同じ曲をやっても、皆で一斉に体感できる「思い出」を作るには十分な内容だった。でもそうじゃない。一歩間違えれば怪我をしそうだった引っ掛け前宙、アクロバットをするにも狭すぎるステージ、上段ステージと階段上とどうにかして作り上げた動線…仮面のイントロの立ち位置は本来ならアリーナの花道にそれぞれピンスポを浴びて現れるべき演出のはずだ。どうすれば、どうすれば。
そこに舞い込んできた「A.B.C-ZのコンサートにSnow Manも出ます!」
あの狭い空間に集められた怨念が、1万人規模収容の代々木第一体育館ですこしでも霧散したならいい。思い描いた花道でそれぞれピンスポットを浴びて踊る姿は、五関さんのソロの曲前の演出そのものだった。一曲目、Vanillaのイントロがかかった瞬間に「ふっかーーー!!!!!!」って思わずにはいられなかったwセトリのド頭にリアデラを持ってきたアイデアは、なるほど河合くんのセットリストの組み方に準じたものだったのだ。流石にクリエと一緒にえびコンのリハを並行してやっていただろうから、偶然にしては出来過ぎている。
Snow Manはメインステージで長めの尺で一曲、バックではなくパフォーマンスするチャンスが貰えて、そこではアリーナサイズの会場の大きなステージでのびのびアクロバットが出来て、歌割りに合わせてスクリーンに個人で抜いて貰って、そこで大きな歓声が起きた。「No Control」も過去に何度も披露したことのある曲ではあるけれど、渡辺くんがソロパートを歌いあげて、スクリーンの画面を見ながら黄色い悲鳴が上がって、それが本当に嬉しくてしかたなかった。いつかこの会場も、この客席の景色も自分たちで手に入れよう。

 

5月の終わりの5日間、ジャニーズ銀座E公演が3日間、そのまま続けてA.B.C-Zコンサートが2日間。あの暗い地下の劇場は近くて狭くてとても幸せだったけれど、むせ返るような熱気の代々木体育館のほうがもっと幸せだった。えびコンがあって良かった。自分の中では、ここまででひと続き。つづきはまた、これから。俺たちとみんなで!

*1:おそらくそれに近いことをしたのがストンプで無声劇を取り入れたI公演かもしれない?

デジタリアン

嵐ライブツアー2014 「THE DIGITALIAN」福岡3公演に入ってきた。京セラ公演が始まる前に、ツアー序盤の感想をすこしばかり。今年は映画館で見たハワイ公演があまりにも良かったのでそれで幕引き、かと思いきや。思いきや!

*

ツアータイトルである「デジタリアン」という語の説明はいたるところでされている通り「デジタルと人間っぽいものの融合」「デジタル人間」「デジタル主義」だそうだが、このコンサートの主体は「デジタル」ではなく「人」のほうだった。デジタルを通して知る、人。

そして、全てに「敬意」を払ったコンサートだった、と思う。

櫻井ソロ、曲の前に翔さんが立ったまま英語でスピーチをした。そこでは「友達」の英訳は「friend」ではなく「real people」だった。実在の人。あなたにとってのreal peopleとは?じゃあ例えば画面の向こうのデジタル上の人は、リアルではないのか?というとそうでもなく、ただデジタルの何が進化し人々の生活がいかにそれに浸食されようと、デジタルなものを使うのは「人」にほかならない。
嵐は今回主に「ファンライト」での演出と自身の身体の動きとの「連動」を試みた。主体は「人」「手動」である。無線で自動制御されたペンライトは色んなライブで使われ始めて話題になっていたのでとうとうジャニーズもそれを導入したかというところ。ここまでは想定内だったが、ただの無線制御に止まらない人の手による操作や事前認証によるエリア別の演出が全面的に行われた。手動でポチポチとペンライトの色を変える演出は去年あたりからA.B.C-ZKis-My-Ft2KinKi KidsSexy Zoneが取り入れているのを見てきて、また声優イベントなんかでよく見られる「その人がソロで登場したり挨拶しているときはその人のメンバーカラーを点ける」という現象も自然と発生した。そしてジャニーズならではの文化「うちわ」のサイズにすることによってより幅広いイリュージョンを可能にした。
デジタルと人の融合、プロジェクションマッピングや映像との融合、電子音、というイメージから出発して、2D映像と3Dの組み合わせは2~3年前から嵐以外でも帝国劇場などでジャニーズが多用していた。ただこの表現で合っているかわからないけど、いわば嵐のいうデジタルはもっとアナログだった。例えばよくある「アンドロイドが意志を持つ」というテーマのアプローチからすると、デジタリアンは真逆だ。嵐のメンバーの身体につけられた装置が彼らの鼓動を数値化し、また彼らの身体の動きに合わせて音と光を操るという融合の仕方を取った。コックピットの意志や動きと機械が連動するというと、つまりガンダムよりはエヴァンゲリオンって言えばいいんだろうか。

ステージの形も斬新、3年ほど前から取り入れたかった世界的に有名なところのデザイン制作だそう。氷山のような?鋭角なメインステージのスクリーンは斜めの角度のためサイド席からでも見ることができる(ただし逆サイドは死角)。しかもコンサート中、左右で反転した映像を流したりもしている。下手側のスクリーン、よく見たら見慣れたはずの嵐の顔に違和感があって、やっぱり人間の顔って左右対称じゃないのだと気づかされる。これもまた、デジタルを通して知るヒトの話。
技術的な話だと、キスマイ東京ドームで話題に出ていた後ろのスピーカーが福岡ドームにも設置されていた。もしかしたらSMAPも置いてるのかな?そのおかげなのか、スタンド席でも大野さんのソロの歌声がとてもクリアだった!と思う!智のソロパートが1番分かりやすい。音質はもとより遅れがない、というのが効果だそうで、視覚と聴覚のズレの是正って一般のアーティストよりも歌って踊るアイドルにはとても大事なんじゃなかろうか。例えば20年後にはもっと進んだものが出来ているだろうけど、その時々の最新技術を取り入れて反映していくのもまたジャニーズコンサートの醍醐味である。
そして今年もまた活躍したムービングステージ、今回は中央を尖らせたブーメランのような、飛行機の翼のような、「ウイング」と呼ばれる形になっていた。ドームのアリーナを横切るほどの巨大な翼。初日のMCで翔さんが触れたように、Takeoff!!!!!で動き始めた瞬間、会場からおぉ…と感嘆の声が漏れた。彼らを乗せた翼が離陸して、高らかに「My fellow,」と呼び掛けられた時、ここまで来て良かった、と思った。嵐が今ここにいて良かった。もしも2014年の嵐が2004年くらいの時と変わらない規模だったとしても、それはそれできっと誇らしくこの声を聞いてただろうとは思うし、逆に言えば規模が大きくなりすぎたことを未だに受け入れられない部分がないことはないけれども(チケットが取れないとかチケットが取れないとか)、それでもわたしは嵐が売れたことと、自分がずっと嵐のファンであることを勝手に誇りたいんだと思う。ファンに特定の呼称をつけることの良し悪しはあるし、名前がついたことで一人歩きするなにかというのも「エイター」「ハイフン」などで見てきたし、でも、それでもちょっと、嬉しかったんだ。今後特に使わないと思うけどw「アラシアンズ」(アラシックのほうが名詞ではなく形容詞として用いられる分使い勝手は良さそうだった)。二宮さんが16日の挨拶で、母体である我々が15周年を祝われるならそれについて来ている皆さんも祝われていい、皆さんもおめでとう、という話をした。いや3年前からですけど?とか先週知りました!って人もいるかもしれない、と付け加えながら。翔さんの言う「嵐」は「5人がフロントマンとして居るけど、スタッフ、ファンの人…みんなを含めての一大プロジェクト(パンフレットより)」という言葉も合わせて、彼らの気持ちを受け取る。嵐は規模が大きくなりすぎたゆえに、その輪の中に沢山の色んな人がいることをものすごく気に掛けてくれるようになった。輪の中の人が疎外感を感じたり溢れてしまうことにとても敏感になった。ハワイの公演で、会場にはいない人も、ライブビューイングに来てくれた人、来られなくても成功を祈ってくれている人を挙げて謝辞を述べた。そんなんだから、相葉くんが映画の初日舞台挨拶で会場の皆さんにひとことって訊かれて「映画を観た人もまだ観てない人も」って言い出しちゃうんだけどwいや映画館の人は皆見てるから!上映後舞台挨拶だから!wwって共演者から突っ込まれつつ。そんな嵐が「5つの輪の向こう」の歌詞では五本指を広げ、「6の輪の向こう」ではスッと腕を伸ばして前方を指差した。会場のわたしたちの方へ向けて。

また今年斬新だったのはステージや照明や音響だけではない、なによりセットリストの構成である。本編が約2時間。殆どがアルバム曲、ソロが5曲、シングルのカップリングも含め、分かりやすいシングル曲が少ないし、あったとしてもリミックスアレンジかかってたりするし、なにより嵐のドーム公演にしては短い!2時間かっきり程度で、Zero-Gを歌い終えた彼らはすとんっとステージ下へ飛び込んで消えた。余韻も挨拶もお手振りでの退場もなにもなし。初日はスクリーンにツアータイトルが映し出されたまま、しばしの沈黙が落ちた。お、終わった?これで終わりでいいの?チラホラあがるアンコールの声もあったが、ぽかんとした会場がそれに続かなかったため自然消滅。数分後、スクリーンに映像が流れ、気球に乗って一張羅を着た5人が「アンコール」として再登場するわけだが、まさか一部では機材トラブルによる中断なんて話になっていようとはw確かにそう思うのもわからなくはないが、今回はMC明けにツアーTシャツを着て出てきた時点で「これはきっとアンコールに何か仕掛けてるね」という話を友人としていたので(嵐はアンコールでツアーTを着るのが恒例)、どちらかというとワクワクそわそわしながら待つ気持ちの方が強かった。それでも流石にアンコールを呼ばれなかったことを気にしてか、15日公演からはスクリーンに「THE END」の文字が出るようになった。舞台下へ飛び込む演出はそのままに、今度はちゃんと嵐コールが起きるようになった。

初日と15日の変更としてはもう一点、Hope in the darkness前の演出。真っ暗な会場、無音の静寂の中、嵐のメンバーがひとりずつピンスポを浴びてステージに現れ、センサーをつけた腕や体を動かすことで楽器の音が鳴り、会場に光が走る。ひとりひとり担当する音や照明が違って、それを組み合わせて「演奏」をする。そして翔さんの合図で会場のファンライトが一斉に灯り出す。ここが今回THE DIGITALIANの最大の見せ場と言っていい。この時に、初日は会場の静けさをいいことにメンバーの名前などを叫ぶ声が聞こえた。叫び厨はひとりではなく、こだまみたいに増えていって、しょうくーん!とかにのー!とか、中には男の人の声も混じって会場に笑いが起きたりもした。それでも、嵐はぴくりともせず演出を進行してやりきった。そのあとも別にそこについては誰も触れたりはしなかった。でも次の日、静寂の間合いは心なしか短くなり、わたしは気付かなかったのだがまったくの無音から効果音のようなものを流すようになっているというレポを見た。16日は気を付けて聴いていたら確かにヒーリング音楽のようなものが流れるようになっていた。15、16日は叫んだりするような雑音はなかった。本当は「無音」を作り出すことにこだわりが合ったのかもしれない。静寂から、5人が紡ぎだす音が少しずつ重なっていくところを見て欲しかったのかもしれない。コンサート番長・潤くんは完璧主義で、おそらくものすごい熱意を持ってこのパートも考えたはずだ。でも、翌日即ここに変更を加えた。
考えた演出へのこだわりというのを、ハワイの舞台裏を流してくれた番組で見たばかりだった。二宮さんが腰を痛め、ジャンプアップが出来ないかもしれないという局面。潤くんは自分の身体のことを一番分かっているのは自分自身、というパフォーマーからの視点とニノのプロとしての信頼と、それから勿論ニノの身体を気遣って、ニノの身体を優先するつもりで「スライドでもいいよ」と言った。でも、ああ、ダメだよ潤くん、その言い方だと、ニノはきっと大丈夫って言っちゃう。出来ないなんて言わない。そう思いながら息をのんでいたら、スッと現れた大野さんが「スライドにしようよ」ってただそう断言した。ここ、ちょーーーーかっこよかったよね…っていうのはともかく、そのぐらい、演出の一個一個がこだわりの結晶なはずなのだ。つい「スライド“でも”いいよ」って、言い方になっちゃうぐらい。誰が音楽を流してもいいよ、って言ったのか、そっちのほうがいいじゃん、ってなったのかはわからないけど。それでも、どうにか学級会みたいなことも引き起こさず、逆に音を流すことでこの場面は静寂を守った。美学を守ったのである。

2部構成のアンコールは、15周年らしく発売年順に並べられたシングルメドレーだった。衣装はハワイオープニングの真っ赤なスーツ。基本的には「アンコール」だ。嵐はあんまり踊らない。でもハワイ公演でしっかり見せ場として丁寧に踊っていたので、これはその15周年コンサート「BLAST」の凱旋公演ってことなんだろうと思った。嵐は随所に散らばって会場の色んな所へ挨拶に行く。嵐のコンサートは動線が凝っていて、本当にどこの席でも5人がまんべんなく近くへ来るように采配されている。立ち位置が偏らない。そしてわたしはこの10年嵐のコンサートに行っていて、本当にいつの公演でもどこの席でも一度は翔さんがこちらを見た!と思う瞬間があることに感動し続けている。あの人、外周を動くときは一度目にスタンドを見ていたら次に通るときはちゃんとアリーナを見ていたりする。徹底的に、どこの席のことも一度は見る。今回スーパーシートの天井一番端で入った日があるのだけど、例外なく。個人ファンサは一切しない、でも目が合うので近くに来たら絶対に翔さんのことは見たほうがいいwそしてドームクラスでも嵐はうちわが目に入ればリアクションしてくれるし(MCで「15周年おめでとう」なんて団扇があったと触れたりする)、大野さんなんかは運が良ければ個人ファンサもしてくれたりする。アリーナや最前に限らず、スタンド中ばくらいにめがけて釣りをしているのをよく見る。代わりに、客席に降りてタッチとか、トロッコで上から手を出したり、そういうのは近年しなくなった。危ないからだと思う。Sexy ZoneやJr.界隈の過熱するファンサ抗争に批判的な声もよく見るが、わたしはジャニーズのファンとのうちわ交流は節度を守れば悪くないんじゃないかな、とドームや国立クラスの嵐を見ながら思っている。
シングルメドレーは、ハワイに来られなかったファンと15周年を祝うための、それから嵐のコンサートに馴染みの少ない人でも最大限に楽しめるような選曲と飽きさせないような尺であり、そして自分たちが踊らない代わりにジャニーズJr.が精いっぱいオリジナルの振り付けを踊ってくれる。今回、嵐コン史上稀にみるJr.の扱いの良さであった。もちろん他のグループのバックに比べればエビキスコンのほうがまだいいかもしれないんだけど、それでも嵐コン比でいうと、格段に。まず衣装の仕立てが良い、種類が多い、前半の挨拶でJr.紹介がある、彼らは補助作業や裏方ではなくダンサーとして表舞台に立つ仕事を丁重に任されていた。そしてHappinessで動き出した前陣の小さなムービングステージにはThey武道3人だけ、メインウイングの中央には"MAD"の2人、その両脇に大野相葉、さらに両翼にはMADEが左右2人ずつが立って踊った。本来ならぜいまどどちらかの位置に天然ふたりが居ていいはず。だけど、この時のJr.に渡した景色は嵐からのプレゼントなんじゃないかって思った。最前列に立って進むムービングステージから見る客席はきっと圧巻でしょう?この光景、覚えておいてね。(もしかしたら、先々のために。)まるでそんな声が聞こえるような。

新規のお客さんのために知っている曲を、といって譲歩したり擦り合わせたりしない、最初から上級者コースの難易度の前半のセットリスト、そこからのシングルメドレーのアンコール。仕掛けとしてもステージとしても新しい試み満載のステージに、初日の潤くんは「緊張した」と言っていた。16日にも「わかりづらい部分があったかもしれないけど…」と不安をのぞかせていた。でも翔さんは「どうですか皆さん、この松本くんの創ったコンサート」と自慢げに訊いてきた。正確には、「松本くんのつくった、いや5人で作ったコンサート」と言い直した。そう、あくまでこれは5人のクレジットで作られたものなのだ(そもそも翔さんはコンセプトにおいては常に潤くんの共謀者である、というかどっちかというと首謀者である)。二宮さんは、2日目の挨拶で本編が短くて後半1時間アンコール?という構成を受け入れられないかもしれない、とそっと補足説明を寄せた。これで初日のトラブルによる中断では?という疑問は拭われた。二宮さんがハワイの挨拶で堂々と「来てくれた皆さん全員が楽しめるものを作ったつもりです」と胸を張っていたのは記憶に新しい。こうまで言い切るのは珍しくて印象的だったから、たぶんこれが二宮さんの矜持なんじゃないかと思った。二宮さんは周囲から求められる「アイドル」という仕事であることにとても強く思い入れている人である。と、硫黄島を経たインタビューの端々から汲んでいる。そんな彼が、挨拶でちょっと補ったりしながら、それでも「全員が楽しんでくれる」という信念の範囲としてこのデジタリアンを押したはずなのだ。潤くんを信じて!
実はKinKi Kidsの光一さんが「お客さん全員の要望に応えるなんてことは無理、だから自分は最上のものを作るだけ」と何年も前から言っているのを知っている。わたしはこれがとても好きだしクリエイターとしての光一さんのことをとても尊敬しているけど、それが必ずしも全員の正義ではないことも知っている。「新しいことを、自分たちの好きなことを」「全員の人が楽しめるものを」その両方の信念を抱えて、すべての着いてきてくれる人たちを零さないように気を遣いながら、長年のファンにも、新しく来た人にも、出演者のJr.にも、すべてに敬意を払いながら出来たものが「THE DIGITALIAN」だった。15周年という区切りの今年のコンサートが、今後の嵐が掲げるひとつの指標になると考えられる。

 

「この背中 風を感じて」
「風よ Let's go 颯爽」
つらいとき、山を乗り越えるための風を吹かせてくれる、楽に乗り越えさせてくれる、そんな風でいてほしいと、数年前に潤くんはファンをそう例えた。

「最高のSTAGEを贈るよ」
「HANDS UP これからもずっと MOVE ON 踊り続けよう」
「夢乗せた翼 舞うからまだまだ」
具体的なステージの約束と、未来への展望を込めた言葉。

「FLY HIGH 終わりなき旅へ ついて来いよ共に行こう」
「Come in now Come in now baby いくつもの空 越えていこう」
STAY GOLDもTake Off!!!!!も共にイメージは飛行。ちょうどJALのCMのお仕事があってよかったねw5人の航路の先をずっと見続けていたい、と思った。思わせてくれた。16年目も、これから先の嵐も、もっともっと楽しみになるコンサートだった。
見通し良好、風も吹いてる。

それから最後に、一番大事なことを。

今回のツアー、全セットリストを通して
「Disco Star」ぶっちぎり優勝ですありがとうございました!!!
超楽しいよ!!!!!!!!